調査報告〜ストーリー編〜

BTTFの裏話

 ここではBTTFの裏話について語るコーナーです。BTTFができるまでなどを追いかけます。

2001年12月2日
2001年12月27日

 

−>BTTF誕生まで

 映画監督のロバート・ゼメキスと脚本家のボブ・ゲールは長年ずっとタイムトラベル映画を作りたいと思っていた。子供の頃からの夢であった二人が、その構想を動かし始めたのは1980年代になってからだった。「ユーズド・カー」制作後にボブ・ゲールは故郷の家で父親の高校時代のアルバムを見て、彼は父親と一緒に高校に通っているような不思議な錯覚を覚えた。そのことをロバート・ゼメキスに話したところ、ゼメキスは興味を引かれた。

 こうして、17歳のマーテイ・マクフライが過去にタイム・トラベルし、高校生時代の自分の両親に出合うという第1作のストーリーが出来上がったのである。

そしてその中には、

『過去にタイム・トラベルした少年が両親に出合い、母親が息子に恋をしてしまう物語』

この文章が大ヒット作の始まりとなった。

BTTF誕生−>製作開始

 まず二人はできたてのアイデアをコロムビア映画に持ち込んだ。コロムビアは1980年9月までにシナリオを書き上げるよう依頼された。シナリオは1981年4月に完成したが、コロムビアは採用しなかった。理由として、非常に素晴らしく心温まる作品だが、ちょっとみだらさに欠けるという理由だった。

 その後もいくつかの映画会社を回ったがコロムビアと同じ感想をもらっていた。そしてディズニーに持っていったところ、

たとえ事情がどうあろうと、母親が息子に恋をするのを目玉にした映画は、
これまでの家族映画のワクを越えていてディズニー物として製作するには難しすぎる

と言われてしまう。

そこに、この作品に目をつけたのはスティーブン・スピルバーグだった。スピルバーグは「抱きしめたい」、「ユーズド・カー」の製作総指揮者だった。また「1941」はゼメキスとゲールの合作シナリオであった。スピルバーグともう一度手を組んで、映画を作りたいという願いは非常に強かった。だが、ゼメキスとゲールの二人はためらった。これまで彼と一緒に作った映画はどれも『大当たり』をとってはいなかったからだ。

そしてもし「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が当たらなかったら、スピルバーグの名声にも傷をつけることになると考えたのだ。だが、やがて事情が変わることになる。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の製作になかなか取りかかれず、がっかりしていたゼメキスは指名を受けてある映画を監督した。ゼメキスの最初の大ヒット作、「ロマンシング・ストーン/秘宝の谷」である。

ヒットすれば名声を得ることになる。ゼメキスは突然、”時の人”となり、一度は彼の申し出を断わった多くの映画会社から、ゲールと共に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の依頼を受けた。充分に考え抜いた末、スピルバーグと共に仕事をしようと決心した。いよいよ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のスタートとなる。

 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が完成したのは公開予定日の数週間前であった。そして70ミリ映画用の音響が入れられたのは、最初の一般試写会のなんと24時間前だった。

 製作中は、関係者は誰もこの映画が大ヒットするとは考えなかった。最初の試写会で観客は喜んでくれた。それはゼメキスたちの予想を大きく超えて誰もがその後がどうなるかを予想できなかった。

(2001年12月2日)

BTTF1公開−>パート2計画

 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」製作段階では、続編の計画はなかった。もちろんそのことはスタッフ&キャスト全員わかっていたはずだった。

 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ははじめの予想を大きく反して世界中で大ヒットを記録し興行収入は3億5000万ドルに達した。世界中のファンは彼らの旅の続きが見たかったが、続編の計画がなかった「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の続編は実現されないはずだった。

 そんなとき、マーティ役を演じたマイケル・J・フォックスはリリースされたばかりの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のビデオを見ていた。そのときマイケルは未来から戻ってきたドクがマーティを連れて行くシーンからエンドロールへと向かうシーンの途中に出てきた文字に驚いた。そこには、

TO BE CONTINUED...(続く)

という文字があった。これは無理もないが、この文字は映画ではない文字だったからだ。それがビデオ版になって出てきたことにマイケルは驚き、思わずエージェントに電話しかけたというのだった。

 実はこの文字、脚本家のボブ・ゲールがだだのジョークでつけたものだったのだ。主人公の冒険は続くというニュアンスをおもしろおかしくしたものだったのだ。

 しかしこの行動が「バック・トゥ・ザ・フューチャー パート2」への実現に対して大きな起爆剤の一つとなった。ファンからの続編製作を希望する声が余計に映画会社にまで殺到して、映画会社も続編を依頼するようになった。

 ゼメキスとゲールは、続編に対してある条件があった。それはマーティとドクを演じたマイケル・J・フォックスとクリストファー・ロイドこの続編にも出演してくれるのかということであった。この条件が満たされないのであれば、この作品は作れなかった

 二人はこのことに対して快くOKしてくれた。そして、リー・トンプソンとトーマス・F・ウィルソンも出演をOKしてくれた。

パート2計画のちょっとしたミス

 パート2の計画は形を見せ始めてきた。パート2のストーリーの始まりはパート1のドクが未来から現れるシーンから始まることになった。この大きな理由としては、元々あのシーンはto be..と同様スタッフの考え出したジョークでもあった。しかしあのシーンを見てファンからの続編を期待する声が生まれたことを考えるとやはりここから始めるべきであり、そうしないとファンの期待を裏切ることになると考えたからである。

 アイデアは多種多様に出てきて、一通りのまとまりを見せ始めたが、ここでちょっとしたミスが起こった。アイデアはたくさん出てきたものの作品を入れる枠の幅というのは決まっている。ということはどこかしら内容をカットしなければならないが、アイデアはどれも良いアイデアばかりで、逆にどのアイデアをカットすればいいのかでゼメキス達は迷ってしまった。考えた結果、映画会社に対してこう伝えた。

悪い知らせと良い知らせがあるのだが、悪い知らせはBTTF2は89年の夏には公開できないということ。良い知らせとはBTTF2公開は11月末の感謝祭BTTF390年の夏に公開される

 つまりこれは当初の計画だった、二部完結のストーリーが、三部完結のストーリーになってしまったということなのだ。この知らせを聞いた時、映画会社は彼らのジョークだと思っていたが、彼らは本気だった。

(2001年12月27日)

 

この話は今後も更新していきます

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